《Asu》iTunes U イチオシ講義(3) 佐藤可士和 「アートディレクターの新領域」

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以前のエントリーで紹介した、iTunes Uの10億ダウンロードを記念して、私のイチオシのiTunes Uの講義を紹介しています。

今回は3回目になります。ユニクロや楽天のクリエイティブディレクション、SMAPのアートワーク、NTTドコモのプロダクトデザイン、セブン−イレブンのブランディングなど、多くの実績をあげ、誰もが目にしたことがあるであろう、アートディレクター佐藤可士和さんによる、母校:多摩美術大学での講義です。

佐藤可士和 「アートディレクターの新領域(2006)」多摩美術大学|iTunes U

アートディレクターとしての実績はもちろんですが、ほぼ日刊イトイ新聞での糸井重里さんとの対談「デザイン論」や、昨年12月に発売された書籍「佐藤可士和さん、仕事って楽しいですか? (宣伝会議)」などでも知られています。

それでは、講義の内容について紹介します。

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多摩美術大学グラフィックデザイン学科の特別講義を6階に分けて配信されています。
第1〜3回目は佐藤氏が実際にアートディレクターとして携わった、「NTT DoCoMo N702iD」「ふじようちえん」「ユニクロ(ソーホー・ニューヨーク店)」の各仕事を基にした講義の様子を、第4〜6回めはグラフィックデザイン学科3年生が課題で製作したポスターの公開講評会の模様を配信します。

前半の講義では、わたしたちがあまり目にすることがない、プロダクトデザインの過程と、その端々に入る、佐藤可士和さん的アートディレクター的な感性が、非常におもしろいです。最近でこそ、メーカーの工業デザイナーだけではなく、外部のアートディレクターを起用してトータルデザインを行なって製作した製品が多くでてきましたが、ドコモのN702iDにしても、当時は珍しい存在であったはずです。

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後半は、多摩美術大学の学生が課題として作成したポスターを、可士和さんが会場で公開講評するという内容です。さすがにどの作品もすばらしいものが多いですが、そこで可士和さんが一貫して言っていたことが印象的でした。

学生の作品で、グラフィックや写真の部分については、非常にチカラを入れているのに対し、ロゴや文字の部分が安易に入れられているということに対し、「プロの作品は、構成されているすべての要素に対して、とことん考え抜き、妥協されたものは一点もない」ということ。

これに関して、興味深いインタビュー記事を見つけました。書籍「佐藤可士和さん、仕事って楽しいですか? (宣伝会議)」についての記事になります。

ーー本書の中で佐藤さんは、「プライベートと仕事を分けない」と書かれていますが、これがイコール「考え続ける」ということでしょうか?

佐藤 そうですね。全然疲れません。考えることは、とても楽しいです。楽しいから考え続けているとも言えますが。僕はいつでも、いろいろなことを考えていて、考えることが仕事だと思っています。ずっと高速で回転し続けているほうが、いいアイデアが浮かびますね。一度回転を止めてしまうと、戻るまでに時間がかかって、よくないんです(笑)。

もちろん、頭の中で考え続けていても、肉体的には休みますよ。そして、意識的に運動するようにしています。
アートディレクター佐藤可士和が語る「一流になるための“条件”」

仕事と生活を切り分けて、ワーク・ライフ・バランスを・・・ということがよく聞かれます。プライベートな時間を、仕事に拘束されたり、追い詰められることは良くないことだと思います。しかし、これは幸せなことかもしれませんが、本当に自分の仕事に興味をもつことができ、楽しむことができたとき、プライベートな時間の中で、全く別なことを考えている時にも、仕事に関することを思いついたり、良い発想が浮かんできたりします。そこで慌てて、明日の自分に向けてメールを送ったり、Evernoteにメモを放り込んだりするわけです。

いつも100%妥協なしで仕事を仕上げることは、非常に困難なことですが、ココぞというときには、とことんこだわったアウトプットを出せるようになりたいものです。

▼佐藤可士和さん関連書籍 ※両方ともKindle版あります!
  

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