《Asu》WWDC 2013 で感じた安心感はこれだったのか!〜Designed by Apple in California

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WWDC 2013

WWDC 2013 Keynoteの生中継動画を見ました。中継の最中からTwitterも盛り上がっていて、新しく発表される製品や、iOS7の感想が流れてきます。そして明けた昨日、各ネットメディアではAppleが発表した新製品、新しいOSの機能、そしてデザインについての議論が飛び交っています。

確かにみんなが期待していた、iPhoneの新製品や噂の新製品iWatchについての発表はありませんでした。MacBook Airの新製品もデザインの変更はほとんど無く、機能の向上だけでした。Appleに対してのさまざまなネガティブな意見や感想が飛び交う中、最初から最後まで中継を見終えた私の心のなかには、なんとも言えない『安心感』のような気持ちが残りました。

WWDCで発表された新しい製品や機能については、他に優れた記事がたくさん書かれていますので、今回は私が感じたこの『安心感』の正体について書くことにします。

 

「 Designed by Apple in California. 」

WWDCに関する、こんな記事を見つけました。

Apple経営陣、昨年の組織変更を反影してWWDCでの息はぴったり|TechClunch

昨日行われたAppleのWWDCキーノート講演は、私にあることを印象づけた。経営陣たちがかつてないほど、CEO Tim Cookに安心感を持ち、息が合っているように感じたことだ。昨日のAppleほど、キーノートやイベントがスムーズに進行することは稀であり、アンサンブル・キャスト方式(複数の幹部がそれぞれ機能説明や発表を行う)がこれほど無理なく安心感を与えながらテンポ良く進み、成功することもめったにない。

なるほど、確かにそれは同感でした。スティーブ・ジョブズが亡くなった後、誰しもが感じていた不安の一つに、Appleがバラバラになってしまわないか、ということ。今回の基調講演は、CEOのティム・クックと他の経営陣とのステージのパフォーマンスの連携やチームワークが非常に良い印象を感じさせてくれたことは間違いありません。

この基調講演の最初と最後に流されたビデオがありました。林信行さん(@nobi)が書かれたこの記事を読んだ時、『自分が感じていた安心感はコレだったんだ!』と納得がいきました。

WWDC 2013所感:アップルがWWDC 2013で伝えた「本当に大事なこと」 林信行

「Designed by Apple in California. 」 

普通に考えれば何という事もない意味の言葉ですが、このビデオを見ながら、Appleのサイトで掲載された全文を読んで、Appleという会社の現在(いま)を考えてみると、その言葉の意味するものが伝わってきます。

http://www.apple.com/designed-by-apple/

たぶん日本語版も制作されて、世界展開されるキャンペーンになるのではないかと思いますが、現在はUSAの英語サイトにのみ公開されています。

2013-06-12 23.02 のイメージ

This is it.
This is what matters.
The experience of a product.
How it makes someone feel.
When you start by imagining
What that might be like,
You step back.
You think.

Who will this help?
Will it make life better?
Does this deserve to exist?
If you are busy making everything,
How can you perfect anything?

We don’t believe in coincidence.
Or dumb luck.
There are a thousand “no’s”
For every “yes.”
We spend a lot of time
On a few great things.
Until every idea we touch
Enhances each life it touches.

We’re engineers and artists.
Craftsmen and inventors.
We sign our work.
You may rarely look at it.
But you’ll always feel it.
This is our signature.
And it means everything.

Designed by Apple in California

林信行さんが上記の記事の中で一部を意訳されていますので、引用させていただきます。

もし人々がみな、追われるようにして作れるものすべてを作っていたら、
いったい誰が1つのものを極めてくれるのか

我々は「便利」を「喜び」と、
そして「豊富さ」を「選択の自由」と勘違いし始めている

何かをデザインするためには、焦点を絞ることが大事だ
そして我々が最初に問うのは、人々にどう感じてほしいかだ
例えば、「喜びを与える」「人々をつなぐ」……

その後、我々はその意図に基づき、手を動かし、作り始める
これは時間のかかる作業だ

1つ1つの“YES”の背後には1000の“NO”がある
我々はものごとをシンプルにし、完璧なまでに洗練し、
我々の作るものが、1人1人の人生を変え、
心に触れるようなものになるまで、
製品のそこかしこに手を入れて、何度も作り直す

そこまでやって初めて、我々は製品に署名を入れる
「Designed by Apple in California.」と

2013-06-12 23.08 のイメージ

 

 

私が感じた安心感の正体は

 

 今なお時価総額で世界のトップに立ち、競合を大きく引き離すアップルにおいて、1番疑われていたのが、力強い経営者、スティーブ・ジョブズ亡き後の会社の核と邁進(まいしん)力だ。

今回のWWDC 2013では、「Designed by Apple in California.」という署名を通して、その精神が再び示されたのと同時に、それを見事に形にした「Mac Pro」と「iOS 7」という2つの次世代製品も提示されたことで、アップルが再び力強く船出をしたことを印象づけたと思う。

まさにこれこそが、私が感じていたことです。スティーブ・ジョブズというカリスマを失ったとしても、そこに関わる全ての人間が変わらない気持ちで前に進み続けること。そしてそんな思いの集まった象徴のような言葉としてティム・クックが選んだのが、これまで見慣れたこの言葉だったのです。

 

そして私はモレスキンを開いて、そのページにゆっくりと、この言葉を書き残しておきました。

 

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