《Asu》あの感動のスピーチが手の中に!〜書評 畠山雄二「英文法徹底解読 スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式講演」(ベレ出版)

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2005年6月12日にスタンフォード大学の卒業式で行われた、スティーブ・ジョブズのスピーチは、世界中の多くの人々を感動させた名スピーチとして有名です。

私も新しくノートを下ろした時に行うセレモニーとして一番はじめのページに書き込む言葉として、このスピーチからよく引用します。

「英文法徹底解説」とタイトルにありますが、単なる英語学習書ではない、著者の思いが随所に込められた一冊を紹介します。

私とジョブズ

私はいつも新しいノートを使い始める時に、ノートの最初のページに使い始めの日付と、お気に入りの文章を書き写すことにしています。その時によく取り上げるのが、スティーブ・ジョブズの言葉です。スタンフォード大学卒業式でのスピーチからもよく引用しています。

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Appleの創業者としてのジョブズはかなり以前から知っていました。学生時代にMacintoshと出会ったころのジョブズです。

その後大きくジョブズを意識し始めたのは、毎年の新製品発表イベントで行われるプレゼンテーションでした。

ジョブズのプレゼンテーションはもはやお祭りとも言えるようになってきて、毎回リアルタイム視聴を楽しみにしていました。

ジョブズの死後、改めてスタンフォード大学卒業式のスピーチが注目されるようになりました。関連本もたくさん出版され、「ジョブズ本」という1つのジャンルができたと言ってもいいのかもしれません。

畠山雄二「英文法徹底解読 スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式講演」(ベレ出版)

いつも行く職場近くの書店で並べられているのを見つけて、衝動的に買ってしまいました。

内容の構成は、次のようになっています。

  1. まえがき
  2. スピーチ全文(英文)
  3. 第1部 点と点を結ぶ
  4. 第2部 愛と喪失
  5. 第3部 死
  6. 全文意訳
  7. あとがき

第1部から第3部では、スピーチの文章を1つずつ取り上げて、文法的な解説と訳のポイント、そして「Hatakeyama’s Comments!」という、著者の畠山さんによるウンチク、さらに「豆知識」としてさらに周辺の知識も含めた盛りだくさんの構成になっています。

まえがきで著者は次のように書いています。

私は授業でジョブズのスピーチを扱うことがある。(中略)高校でジョブズのスピーチに触れたとはいうものの、ほんの一部しか扱われていなかったりする。そのようなこともあり、かつてジョブズのスピーチに触れたという学生のほとんどごジョブズを誤解している。そしてジョブズのメッセージをちゃんと受けとれていなかったりする。授業でジョブズが実際何を伝えたかったのかわかるにつれ、学生の顔つきが次第に変わってくる。なかには目に涙をためている学生もいる。かくいう私も目頭が熱くなりことばに詰まることがある。それぐらいスタンフォード大学でのジョブズのスピーチはすごい。(中略)私にとってジョブズのことばは禅語である。生きる道標となることばである。ストレスに押しつぶされそうな現代人に必要なのが禅の教えであるならば、どう生きたらいいのかを思い悩む現代人に必要なもの、それが禅語としてのジョブズのスピーチであるともいえる。

本文を読み進むにつれて、これまで原文や翻訳を読んだだけではわからなかったことが理解できるようになり、より深みのあるメッセージをそこから読み取れるようになります。

そして、ひとつひとつの文章を噛み締めながら、ノートに書き写してみるのもいいと思います。

スタンフォード大学でのスピーチ動画

YouTubeで翻訳付きの動画が公開されています。

スティーブ・ジョブズに関してあまり知らない人はこちらもオススメします。公式伝記です。

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