《Asu》モレスキンと万年筆 究極の黒インク セーラーナノインク極黒は裏抜けしないぞ
前回のエントリーでは、対モレスキン裏抜け対策インクの有力候補として、セーラーの超微粒子顔料インク「青墨」を導入し、見事!ほぼカンペキな対裏抜け性能を持っていることを確認しました。
さて、こうなると他の色、他の顔料系インクも気になってくるところです。
まずは同じセーラーから発売されている、「極黒」(きわぐろ)を試してみようと思います。
次回のこのシリーズでは、「極黒」をレポートしてみたいと思います。
前エントリーの予告通り、同じ顔料ナノインクの、セーラー「極黒」を購入しましたのでさっそくレポートしてみましょう。それではいってみましょう。
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購入しました!極黒
極黒のボトルインクです。
青墨は青地にシルバーの文字でしたが、こちらは黒字にゴールドの文字です。
ボトルのラベルも同じデザインです。
青墨同様、ボトルの中には「インクリザーバー」と呼ばれるプラスチック製の二重容器のようなものが装着されていて、インクの量が少なくなっても万年筆に吸入しやすくなるよう工夫されています。
この機構は、セーラーの他のインクでも採用されています。こういう工夫はさすが国産メーカーというところでしょうか。ジェントルインクの紹介サイトにリザーバーの説明があります。
さっそく万年筆に入れてみる
今回、極黒を入れてみる万年筆は、以前の記事でも紹介した、LAMYアルスターのオーシャンブルー。ペン先の太さはFです。
この万年筆にはずっと、ペリカンのロイヤルブルーをレギュラーとして使ってきていましたが、現在は他のペンを使うため休養中でした。今回は大いなる期待も込めて、秘蔵のこのブルーアルスターを登場させます。
ボディーを外してコンバーターを装着し、ペン先からインクの中にどっぷりと浸します。極黒はインクリザーバーがついているため、一番奥まで沈めてもOKなので使いやすいですね。
新しくコンバーターにインクを充填するときは、最初は空気が入っているので一杯までインクが入りません。何度かコンバーターのネジを回して吸入を繰り返すと、空気が押し出されてインクがほぼ満タンまで充填されます。
満タンになったら、そのままピストンを戻しながら2滴ほどボトルに戻し、再度ピストンを引いて空気を吸い込みます。これでペン先部分に過剰にインクが残らないようにすることができます。
余分に付着しているインクをティッシュで拭いて完成です。
コンバーターにインクが充填された状態。
これで無事にインクを入れることができました。
さっそく試し書きです。現在使っている、裏抜けがしやすいモレスキン Evernoteスマートノートブックで試してみましょう。果たして裏抜けは解消されるのか。
感動の試し書き
モレスキンのページに試し書きをしてみました。
インクの名前は「極黒」ですが、名前からイメージする、いわゆる「真っ黒」という感じではなく、やや薄めの黒です。
写真でうまく伝わるでしょうか。真っ黒よりちょっと薄めの真っ黒(笑)
文字を少々と、塗りつぶしも書いたところで、さっそく裏面チェック。
感動! まったく裏抜けはありません。塗りつぶしを重ねた部分も大丈夫です。
あれこれ試行錯誤しながら試していた苦労が嘘のようです。
紙の色の違いによる発色の違いです。
前回、青墨で試した隣に書き込んでみました。
このインクで今日一日過ごしてみて、ふと気づいたことがありました。
万年筆ではありませんが、モレスキンに裏抜けしない筆記具として時々使ったりしていた、三菱uniの水性顔料マーカーPROCKEYの黒と、発色がそっくりです。
上段がPROCKEY、下段が極黒です。
こうして比べてみると、写真では少しわかりにくいですが、均一に真っ黒になるPROCKEYに比べて、万年筆で書いた極黒は、インクの濃淡が強く出てきます。このあたりは好みにもよりますが、私は万年筆の濃淡のある文字が大好きなので、この感じは大歓迎です。
同じ水性顔料系インクを用いている、PROCKEYです。
この発色の特徴は、顔料インクという、インクの種類にもよるのかもしれません。
結論&考察 モレスキンと顔料インクは非常に相性が良い!
今回の一連の研究で、さまざまなインクを試してきました。
- 染料インク
- 古典ブルーブラック
- 顔料インク
モレスキンの紙の性質は、比較的水分がにじみやすい性質だと思います。
このような性質の紙では、インクのにじみや、紙の裏側にインクが抜けてしまう裏抜けが問題となります。
上に挙げた種類のインクの特徴が、この滲みや裏抜けに関して大きく影響すると考えることができます。
インクの成分が水に溶けている染料インクでは、水分が染み込みやすいと水と一緒に色素の成分も紙の繊維の奥まで染み込みますから、滲みや裏抜けがしやすくなると考えられます。
反対に顔料インクは、水に不溶性の顔料の微粒子が浮遊している状態です。水分は染み込みやすくても、顔料の粒子は紙の繊維に捉えられて紙の表面近くに留まったまま定着する、というイメージ。
古典ブルーブラックはインクの成分は水に溶けていますが、紙に染みこんで水が蒸発すると、空気中の酸素と化学反応を起こして、水に不溶性の黒い物質に変化します。これが耐水性を強くするための仕組みですが、使い勝手をよくするために、青い染料インクが混ぜてありますので、この染料の性質や比率も滲みや裏抜けに影響してくるのかもしれません。
以上のように、紙とインクの相性の世界は非常に奥が深いものです。
これが正解、というものはないんだとは思いますが、いろいろ試行錯誤しながら、これも楽しみのひとつということで、これからもあれこれ研究してみたいと思います。
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