《Asu》クロネコヤマトの受け取り日時事前変更サービスは、配送人員5000人分以上の効果を生み出す仕組みだ
宅急便を受け取るお客様の「待つストレス」をさらに解消!
~「クロネコヤマトの荷物お問い合わせシステム」から事前にお受け取り日・時間帯変更が可能に~
ライフスタイルの変化やネット通販の利用増加などに伴い、お客様が宅急便を受け取る機会はますます増えています。ヤマト運輸では、荷物を受け取る際の「待つストレス」の解消を目指し、これまでに「時間帯お届け」や「宅急便受取指定」などのサービスを提供してまいりました。
最近では、お客様が荷物の配送状況をWebで検索できるよう、通販会社が事前に“お問い合わせ送り状番号”をお知らせするケースも多く、「荷物の配送状況をWebで検索したときに、受け取る日時も変更できたら便利」という声をいただいておりました。
そこで、このたび宅急便を受け取るお客様のさらなる利便性向上を図るため、「荷物お問い合わせシステム」に宅急便のお受け取り日・時間帯を変更依頼できる、業界初の機能を追加いたしました。
このサービスは、『お客様のさらなる利便性向上を図る』ことに加えて、ヤマトの配送業務においても、非常に生産性を高める、まさに、社内も顧客もWin-Winとなるナイスアイデアな方策だと思います。さて、どれぐらいの効果が得られるものなのでしょうか。超ざっくり試算をしてみました。
新サービスのしくみは
今後は、お客様が宅急便の“お問い合わせ送り状番号”をご存知であれば「お届け予定eメール」の配信がなくても、好きなときにパソコン・スマートフォン・モバイルの各種サイトから「荷物お問い合わせシステム」を使ってお受け取り日・時間帯の事前変更が可能となりますので、より多くのお客様に便利にご利用いただけるようになります。
これまで配達日時は、送り主が指定することはできました。ただし、その全てが受け取り側の事情を確認してから指定するというわけではないと考えられます。送る側の気持ちとしては、なるべく早く届けたいと考えるので、配達可能ないちばん早い時間帯を指定することも多いのではないでしょうか。
また、受け取る側の事情を考えた場合にも、予定が変更になったりして、当初の予定時刻に家にいることができなくなるケースも考えられます。この場合、いままでのサービスでは、いったん配達の方が届けに来て、チャイムを鳴らしてしばらく待っても受取人が出てこないので、不在連絡票に記入してポストに投函する、という作業が必要になります。この間、2分ぐらいは作業時間がかかると思います。また、配送コースも当初の予想コースから乱れてしまいますので、すべての荷物を配送し終わるのにかかる時間も多くなるでしょうし、車の燃料も多く使ってしまうことになり、結果的に配送に関わるコストが高くなってしまいます。
どれぐらいのメリットがあるか試算してみた
さて、今回のサービスの対象は、クロネコメンバーズWeb会員が対象とのことです。
会員は何人ぐらいいるのでしょうか。こちらの記事によると、2012年5月の記事になりますが、約500万人とのことです。
取り扱っている荷物の配送数量ですが、2013年3月の実績データを見ると、
宅急便が約1億2,000万個、メール便が約1億8,000万個、合計で約3億個。年間換算で約36億個の荷物が利用されていることになります。
この36億個の配送のうち、初回配達時に在宅していないケースが約2割だと仮定すると、約7億2,000万個が不在連絡票の取り扱いになります。このうち、この新サービスを使う人の割合が5%ぐらいいたとして、3,600万個の荷物が新サービスを活用できたとします。
新サービスによる効率化がどれぐらいになるのかは、ケースによっても違いますが、チャイムを鳴らしてから不在連絡票を投函するまでが約2分、配送ルートの乱れや再配達の手間を考えて、1件あたり15分程度の配送時間ロスが発生するとしたら、合計17分のロスとなります。新サービスによってこれらのロスタイムが無くなりますから、3,600万 × 17分 = 6億1,200万分 = 1,020万時間の改善効果です。
通常の1日の労働時間8時間で、月に20日勤務したとして、年間で8 × 20 × 12 =1920時間ですから、
10,200,000 ÷ 1920 = 5312.5人 約5300人分の省力化となる計算になります。
このサービスが定着してくると、一人暮らしで働いている人たちは多くの人が加入し、会員数も増えてくることが予想されます。こういうシステムをうまく活用したサービスを提供して、顧客のサービスレベルを上げつつ、自社の省力効果にも繋げてくるところ、さすがヤマトですね。
日本だけでなく、中国などの海外でも展開可能なサービスだと思います。
キーワードは、『世界をガラパゴス化!』
頑張ってほしいと思います。